下地のこと

私は、石川県加賀市にある漆器産地、山中漆器の下地職人さんのもとで、二年間弟子入りしました。毎日、途切れることなくお椀の下地付けをして学びました。現在、年々下地仕事も減少してきている中、毎日お椀に下地を付けることが出来たことは、恵まれていました。職人は綺麗に仕上げることは当たり前、一日に何個出来るかが勝負です。職人さんは無駄なく淡々と毎日をこなしていました。漆と珪藻土を焼いた粉を練り混ぜお椀に下地をつけていきます。檜のヘラでつけていきます。ヘラの柔らかさと漆の硬さのバランスでつけていきます。ヘラが削れたら一人前という世界です。少しでもヘラの硬さが合わないと付けることが出来ません。漆の量も職人さんによって配合が変わっていきます。早く、強く、丁寧にすることが基本です。下地という目に見えてこない仕事をいかに真面目にこなしていくかが、使って頂く人に対しての気持ちだと思います。

 

下地の技法

下地のつけ方は産地によって違ったり、職人、作家によっても様々です。本堅地仕上げと呼ばれる、お椀の底、縁に麻布を貼って強度をつける伝統的な技法があります。